SASBとは

SASBとは、ESG要素に関する開示基準を設定するアメリカの非営利団体です。

SASBは、Sustainability Accounting Standards Board(サステナビリティ会計基準審議会)の略称です。

持続可能な社会を目指し、ESG投資が加速している中で、SASBは企業のESG情報開示のクオリティ向上と、中長期での投資家の意思決定をサポートすることを目的としています。

SASBの具体的な活動としては、ESG要素に関する開示基準をSASBスタンダードで設定しています。

SASBスタンダードとは、SASBが作成した、ESG情報の開示に関する項目を整理したフレームワークです。

将来的な財務インパクトが高いESGに関する非財務情報の活用や、中長期視点の投資家の関心が高まる中で、投資家が求める情報と、企業が開示する情報の差を減らすために、SASBスタンダードが設けられました。

SASBスタンダードでは、産業界を11セクター77業種に分け、さらに業種ごとに、投資家が重要だと思う項目を明示しています。

企業のサステナビリティを分析する視点として、5つの局面(環境・社会資本・人的資本・ビジネスモデルとイノベーション・リーダーシップとガバナンス)と、それに紐づいた26の課題カテゴリーを設定しており、SASBスタンダードが規定する開示項目となっています。

このようにSASBスタンダードでは、ESG情報開示の効率化・最適化を進めています。

SASBスタンダードの具体的な活用のされ方としては、米国証券取引委員会(SEC)へ提出が義務付けられている情報開示のスタンダードとなっています。

※ただし、現時点で、ESG情報など非財務情報の開示はSECにより義務付けられていません

また、TCFD提言に対応する情報開示において、SASBスタンダードの活用ができます。

SASBスタンダードを使用することで、企業間の情報の比較が簡単になるというメリットがあります。

また、財務的に重要な情報を報告することを促すものでもあることから、投資家にとってより良い意思決定ができるようになります。

SASBスタンダードとGRIスタンダードの違いは次の通りです。

SASBスタンダードと似たフレームワークに、GRIスタンダードが存在します。

両者は、開示情報の想定する対象者の点などに違いがあります。

簡単に説明をすると、SASBスタンダードは、主に投資家を対象として作られているため、投資家だけでなく、より幅広い層を対象にしているGRIスタンダードと比べて、内容が細かく決められています。

1. 主な対象者

SASBスタンダードの主な対象者は、投資家を含む市場関係者としています。

一方で、GRIスタンダードは、市場関係者だけでなく様々なステークホルダー(投資家・消費者・市民社会など幅広い層)を対象にしています。

2.分析の対象

SASBスタンダードの分析の対象は、財務的なインパクトが大きい非財務情報としています。

一方で、GRIスタンダードは、もう少し対象が広く、経済・環境・社会へのインパクトが大きい非財務情報を対象にしています。

3.汎用性

SASBスタンダードは、業種別に個別スタンダードを設定されています。

一方で、GRIスタンダードは、全業種で共通のスタンダードを使っています。

4.マテリアリティの特定の仕方

マテリアリティとは、企業が経済・環境・社会に対して大きな影響をあたえる課題のことを指します。

SASBスタンダードは、財務インパクトを基に、業種別にマテリアリティが事前に設定されています。

一方で、GRIスタンダードは、各社の判断に委ねています。

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