再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、太陽光や風力などの永続的に使用ができるエネルギーです。

パリ協定などを背景に、温室効果ガスを減らしていく動きが重要視される中、温室効果ガスをほとんど排出しない再生可能エネルギーが注目されています。

国際エネルギー機関(IEA)の試算では、世界の 2050年のエネルギー起源の CO2 排出量を 2009 年比で半減させる場合、再生可能エネルギーの寄与度は 28%と推計され、大きな影響があることが確認されています。

再生可能エネルギー源については、エネルギー供給構造高度化法では、「非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されています。

政令では、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが具体的な発電方法として定められています。

つまり、原子力発電・火力発電などは再生可能エネルギーに含まれません。

エネルギー供給構造高度化法が定められた背景には、日本のエネルギー供給源の約80%は温室効果ガスを排出する石油や石炭などの化石燃料(ほとんどが海外から輸入)がしめていることや、新興国を含め世界的なエネルギー需要の増加などがありました。

このような背景から、エネルギー供給構造高度化法では、2030年に非化石エネルギー源由来の電源比率を、足もとの20%程度から44%にすることを目指し、再生可能エネルギーなどの有効な利用を促進しようとしています。

再生可能エネルギーの定義については、再エネ特措法など各法律によって、それぞれ異なるので注意が必要です。

再生可能エネルギーの特徴は大きく2種類あります。

1. 温室効果ガスを排出しない

化石燃料で発電する場合、燃料を燃やすときに、多くの温室効果ガスを発生させます。

一方、非化石エネルギー源は、自身が持つ熱や動力によって発電を行うため温室効果ガスを発生させません。

2. エネルギー源が枯渇しない

石炭などとは違い、太陽光や風力に限りはなく持続可能な発電方法といえます。

また、地球上のあらゆる場所でエネルギーを作ることができ、設備さえ整えることができれば、日本のエネルギー自給率の向上も目指すことができます。(日本のエネルギー自給率は、足もと10%程度です)

再生可能エネルギーは大きく5種類あります。

再生可能エネルギーには様々な種類がありますが、代表的なものは、太陽光・風力・中小水力・地熱・バイオマスの5種類です。

1. 太陽光発電

太陽光発電は、太陽光が当たることで発電するシリコン半導体などをソーラーパネルとして取り付けることで太陽電池(半導体素子)が直接電気に変換する発電です。

エネルギー源が太陽光であることから、太陽がある限り発電ができ、化石燃料などの資源を必要としないことから、クリーンな発電といえます。

2. 風力発電

風力発電は、風の力で風車を回し、その回転運動を利用する発電です。

風がある限り発電できるため、陸上だけでなく洋上でも発電が可能であることから、適地が限定される陸上風力の設置だけでなく、洋上風力発電設置の検討と計画が行われています。

また、大規模に発電できれば発電コストが火力並みであることから、経済性も確保できる可能性のあるエネルギー源と考えられています。

3. 地熱発電

地熱発電は、生産井と呼ばれる井戸を掘り、熱水や蒸気を汲み出して利用する発電です。

天候に左右されることなく安定した電力供給ができることが特徴です。

実用化されている地熱発電には、フラッシュ式とバイナリー方式があります。

フラッシュ式は、地熱貯留層から約 200~350℃の蒸気と熱水を取り出し、蒸気と水で分離した後、その蒸気でタービンを回し発電するものです。

バイナリー方式は、約80~150℃の熱水や蒸気を熱源として、水よりも低い沸点の媒体(ペンタン・沸点36℃など)を温めて、蒸発させてタービンを回し発電するものです。

4. 中小水力発電

中小水力発電は、水の力を利用して発電する水力発電の中でも中小規模の発電です。

河川の流水を利用する以外にも、農業用水や上下水道を利用する場合もあります。

中小水力発電としての明確な規模の定義はなく、国や機関によってその基準は違いますが、1万kW~5万kWで中小水力と大規模水力(ダムなどをつかうもの)の境界が定義されることが多いです。

すでに開発ずみの大規模水力に比べて、まだまだ開発できる地点が多く残されており、今後の更なる開発が期待されます。

5. バイオマス発電

バイオマス発電は、バイオマスを直接燃焼やガス化などをする発電です。

バイオマスとは、生物資源(バイオ)の量(マス)をあらわし、エネルギー源として再利用できる動植物から生まれた有機性の資源です。

また、石油や石炭などの化石資源と対比して、「生きた燃料」ともいわれています。

発電コストが高いことが、再生可能エネルギーの課題の一つです。

天候に左右されやすいことや、エネルギー変換効率が低いため大きな設備が必要なことが、高コストの要因として挙げられます。

但し、世界では、再生可能エネルギーの発電コストは急速に低下してきており、その他の電源と比べても、コスト競争力のある電源となってきています。

再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、日本でも発電コストを低くしていくことが重要です。

再生可能エネルギーと新エネルギーの違い

再生可能エネルギーと似た言葉に、新エネルギーという言葉があります。

簡単に説明すると、再生可能エネルギーという言葉の括りの中に、新エネルギーは含まれています。

新エネ法の中で、新エネルギーとは、「技術的に実用段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので、非化石エネルギーの導入を図るために特に必要なもの」とされています。

具体的にいうと、太陽光発電や風力発電は新エネルギーの範囲に入りますが、経済性が成り立つ大規模水力発電などは、新エネルギーにはなりません。