東京都環境確保条例とは

東京都環境確保条例とは、東京都が制定している最大の環境・公害関連条例です。

正式名称は「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」とされており、気候変動関連だけでなく、自動車公害やアスベスト関連など様々なことについて触れられています。

 

このページでは、2008年に東京都環境確保条例が改正され、導入された「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」について説明します。

 

東京都は「2030年までに温室効果ガス排出量を 2000 年比で30%削減する」という目標を定めています。

東京都の総量削減の確実な達成のため、2008年の条例改正では、総量での削減を義務づけるとともに、経済的かつ合理的に削減の実行をサポートするために、排出量取引制度が導入されました。

総量削減義務とは、温室効果ガス排出量の削減義務を課すものです。

対象となる大規模事業所は、前年度の燃料・熱・電気の使用量が、原油換算で年間1,500kL以上の事業所を指し、1,300事業所程度存在します。

 

対象事業所は、2020年4月1日から2024年3月31日までの5年間で、基準排出量比でオフィスビルなどは27%、工場などは25%の排出総量の削減義務をまもらなければなりません。

なお、基準排出量は、2002~2007年の、連続する3か年度の平均値を使用します。)

 

この削減義務をまもるために、対象となる事業所は、自らの事業所内で減らすように努力をするか、後でくわしく説明する東京都排出量取引制度を利用するかを選択することができます。

 

自らの事業所における削減対策を優先的に考えることが必要となりますが、自らでは減らしきれない排出量や、削減にかかる費用を考えた上で、排出量取引で減らすことができます。

また、削減義務を守れなかった場合は、削減が足りなかった分の1.3倍の量の削減を求める措置命令が出されてしまうことには注意が必要です。

東京都排出量取引制度とは、東京都によるオフィスビル等を対象とするキャップ・アンド・トレード制度です。

対象事業所が、総量削減義務を守るために用意された手段の1つであり、2010年から制度が実施されています。

 

キャップ・アンド・トレード制度とは、排出量取引の一種であり、期間内に排出できる温室効果ガス排出量に上限(キャップ)が設けられ、上限まで二酸化炭素排出量を減らすことが出来ない企業は、他の企業から排出権を購入(トレード)して、自社の上限を上げる方式です。

他社(又は自社の他の事業所)が実施した削減対策による削減量をやり取りすることができます。

東京都排出量取引制度の背景と特徴は次の通りです。

東京都が「2030年までに温室効果ガス排出量を 2000 年比で30%削減する」という目標を打ち立てていることが大きな背景です。

 

東京都では、エネルギー消費のうち、建物由来が大きな割合を占め、この分野での削減がきわめて重要であると考えられています。 そこで、産業部門(工場など)に加えて、業務部門(ビルなど)の事業所を対象とした都市型のキャップ・アンド・トレード制度を導入しました。

 

世界的な有名なEUで実施されている排出量取引制度(EU-ETS)では、発電所・鉄鋼・化学工場などのみを対象としているのに対し、東京都による制度の主な対象はオフィスビルなどの建物であることは特徴の一つです。

東京都排出量取引制度での取引対象は5種類あります。

1. 超過削減量:対象事業所が、義務とされている削減量を越えて削減した量

2. 都内中小クレジット:都内中小規模事業所の省エネ対策などによる削減量

3. 再エネクレジット:再生可能エネルギーの環境価値

4. 都外クレジット:都外の大規模事業所の省エネ対策による削減量

5. 埼玉連携クレジット:埼玉県の類似制度で認定される超過削減量

※クレジットとは、削減対策の実施により得られる温室効果ガスの削減量のことを指します。

東京都排出量取引制度の具体的な流れは次の4ステップです。

1. 削減量の確認

削減義務をまもるために、クレジットを購入する必要があるのか、超過削減量の発行ができそうかを確認します。

2. 口座の開設

排出量取引をする場合、一般管理口座の開設と、指定管理口座との関連付けが必要です。

 

3. 取引先の確保

東京都の電子システムや民間のクレジット仲介業者などと連携し、クレジットの購入先または販売先を見つけます。 取引は相対で行われ、当事者同士で価格の合意をしなければなりません。

価格については、東京都が公表する価格情報があるので、そちらを参考にすることもできます。

 

4. 計画的な取引の実施

クレジットはすぐに取引できるとは限らず、計画的に手続きを進めます。

東京都排出量取引制度により、削減効果の実効性が高く、削減目標を達成する選択肢が増えます。

​詳細は排出権取引にてご確認ください。