ライフサイクル影響評価とは

ライフサイクル影響評価(LCIA)とは、ライフサイクルインベントリ分析の結果を用いて、潜在的な環境影響の重要性を評価することをいいます。

ライフサイクル影響評価の構成要素は、必須要素と付加的要素に分けられます。

1. 影響カテゴリー、カテゴリインディケータ及びそのモデルを選択

 

2. インベントリデータをそれぞれの影響カテゴリーに割り振る

 

3. カテゴリインディケータの算出

 

4. カテゴリインディケータの正規化

 

5. カテゴリインディケータのグルーピング

 

6. カテゴリインディケータの重み付け

 

7. カテゴリインディケータのデータ品質分析

※必須要素:1~3、付加的要素:4~7

必須項目はインベントリ分析結果を各影響カテゴリーのカテゴリインディケータへ変換する一連の作業のことを言います。

付加的要素はカテゴリインディケータの算出結果をより分かり易くする作業を言います。

カテゴリインディケータとは、排出物量と、その物質が指定された影響カテゴリーに対して与える影響を相対的に評価した特性化係数(地球温暖化係数など)を掛け合わせたものを言います。

影響カテゴリーとは地球温暖化やオゾン層の破壊など、環境に対する悪影響の種類を言います。

1の「影響カテゴリーの選定」に関してはカテゴリインディケータの算出を行う際に環境への潜在的な影響を組織立てることを目的として定義されます。この際、重要なことはカテゴリインディケータの算出との明確な相関があること、つまりは環境への影響のメカニズムに沿って科学的知見に基づいて定義されていることです。

 

2の「インベントリデータをそれぞれの影響カテゴリーに割り振る」ことは分類と呼ばれており、製品システムにより引き起こされる資源消費や排出物を各影響カテゴリーに振り分けることを言います。

 

3の「カテゴリインディケータの算出」では、特性化係数を用いて、資源消費や排出物が各影響カテゴリーに対して引き起こす影響の大きさを相対的に評価します。

 

4の「カテゴリインディケータの正規化」とは製品システムが引き起こすカテゴリインディケータを参照となるカテゴリインディケータ値で割る作業を言います。

正規化を行うことで、算出した製品システムのカテゴリインディケータにおける矛盾の有無、相対的な影響度を把握することが可能となります。

5の「カテゴリインディケータのグルーピング」とはカテゴリインディケータに対して、並べ替えや順序付けを行うことです。

 

6の「カテゴリインディケータの重み付け」とは、各影響カテゴリーのカテゴリインディケータの算出結果に対して、主観的な価値に基づき重みづけ係数を用いて1つの数値に変換することを言います。

重み付けの手法には主に次の3つの方法があります。

1. DtT法(Distance to Target:DtT)

排出量や環境影響量について目標値を設定し、現状の値との乖離の程度から重み付けを決定する方法です。

2. パネル法

アンケートやグループディスカッションを通した回答者の判断に基づいて重みを算定します。

 

3. 経済価値換算法

仮想評価法(CVM)やコンジョイント分析などの手法を適用して環境影響量や被害量を経済価値で表すことで算定します。

ISOにおいて、重み付けを行った結果を用いて感度分析することは望ましいと記載されています。

しかしながら、重み付けは主観的な目線で行われることが多いため、公的な場での比較主張に用いてはいけないと記載されており、留意しなければなりません。